「旋条砲身について」


ども!私です。

今回は天才砲学者である私ことウイング・ダービッツが、
『旋条砲身』、平たく言えば『ライフル』について、語っちゃう。
…とはいえ、私ほどの天才がいまさら基本的なことを語っても
面白くもなんとも無いし。そんなことはシエスタと一緒に勉強しなさいね。


とりあえず、まずはこれをみていただこうかな?


『ONE PIECE』より
「ゴムゴムの黄金回転弾」



…有名なマンガのワンシーン。ゴムで出来た腕の先に、
金塊をくっつけられた主人公が、ゴムをねじ巻いてパンチ。
このマンガに関しては、力学がどうのこうの言うのもおかしいか(笑)

歴史的に「旋条砲」が火砲に革命を起こしたという経緯があってか、
作者マルメンライトも誤解してたことがあってね。特に、ボクシングの
「コークスクリューパンチ」や、「ライダーきりもみキック!!」などなどの影響から、
回転して衝突すると、威力が上がるんだと考えがちです。

結論から言うと、「弾丸の質量・速度が衝突時に同じであれば、
回転していることは威力にあまり影響を与えない」。

砲弾のような高速な物体が、装甲等に衝突することを考える。
この場合、化学エネルギー(爆発)を考えず、徹甲弾のような
質量の衝突を考えます。


「ここで着弾箇所の状態はどうなるのか?」

装甲板といっても、それはバラバラの金属分子が結合したものなの。
着弾した部分は、弾丸の運動エネルギー(質量×速さ)をうけて、
その隣の金属分子へ衝突、さらに衝突された分子は
運動エネルギーを受け取って…という連続を、運動エネルギーが
無くなるまで繰り返します。

砲弾は「ドリル」とは違う、ということね。

「旋条砲」の優れた点は、砲弾の飛行中の空気抵抗の問題に尽きるの。
主に弾道安定による命中率の向上、遠距離射撃での着弾存速を高める、
という効果があるわ。また、それらの点を解決してくれるわけだから、
初速度向上などに注力することもできるわね。

でもまぁ、パンチ力が上がるというのはどーだろ。





「そういう意味では、エネルのこの発言も
意味を感じずにはいられないわね。」