「鉄・炭素系状態図」です。

縦軸に温度、横軸に炭素濃度をとると、
炭素濃度が高まるほど、黄色の部分が下がっていきます。
黄色の部分は、オーステナイト(鉄の状態)と
液体の鉄が混ざった状態です。鉄が最も低い温度で
液体化するのが「共晶点」で示した温度です。
このように、炭素濃度が上がると融点が下がります。


「鋼鉄」は現在の定義では2.14%以下の炭素を含む鉄を言います。
これは温度を高めると、鉄の状態を「オーステナイトのみ」にすることが出来る
炭素量の鉄を定義したものです。オーステナイトのみの状態であれば、
「ある処理」を行うことで様々な鋼鉄の特質を引き出せるのです。

その「処理」については後日。なお、図の上部にあるのは歴史的に
付けられていた分類で、鍛冶屋やジパング熟練工などの職人たちは
科学的な知識無しに、鉄の特質を見抜いていたのでした。